グーグルのバード・チャットボットは、その論理性と推論力を向上させている。グーグルはこれを実現するために、人間の思考からヒントを得ている。

「暗黙的なコード実行」とは、グーグルがBardの新機能と呼んでいるもので、プログラミング・コードがタスクの解決に役立つことをチャットボットが自動的に認識できるようにするものだ。グーグルによると、これには数学のタスク、プログラミングのクエリ、文字列を操作するリクエストなどが含まれる。

この新しいテクニックのおかげで、バードは例えば “lollipop “という単語を確実に逆から綴ることができる。しかし、タスクを解決するためには、Pythonコードを自分で生成する必要がある。新しいのは、タスクをより確実に解決するためのツールとして、このコードが必要であることをBardが自動的に認識することだ。

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さらにGoogleは、BardにGoogle Sheetsへのエクスポート機能を搭載した。Bardがスプレッドシートを生成すると、それを直接Sheetsにアップロードすることができる。

クリエイティブ・ライティングのためのシステム1、ロジックのためのシステム2

グーグルは、アメリカの心理学者ダニエル・カーネマンの「暗黙のコード実行」のシステム1とシステム2の論理からインスピレーションを得たとしている。人間の脳では、システム1は素早く直感的な行動を担当し、システム2は推論などのより高度で時間のかかる作業を担当する。

大規模な言語モデルは、この論理では「システム1」のシステムであり、したがって創造的な文章を書き、素早く結果を出すのに適している。推論にはあまり向いておらず、従来のコンピューティング・システムの領域であり、比較的遅く、形式的で柔軟性に欠ける。

新しいBardのアップデートは、この2つの機能を上記の方法で組み合わせたものだ。グーグル社内のテストでは、Bardはコードの恩恵を受けるタスクを30倍正確に解決するとしている。

しかし、新しいシステムはまだ完璧ではない。チャットボットがコードを生成できないこともあるし、生成されたコードが間違っていたり、出力に含まれていなかったりすることもある。

グーグル・ディープマインドとプリンストン大学の研究者は最近、「Tree of Thoughts」と呼ばれるフレームワークを発表した。このフレームワークもまた、システム1の原理を言語モデルに適用することを目的としており、古典的な決定木のアプローチと大規模な言語モデルの新しい機能を組み合わせている。ただし、現在バルドに使われている方法は異なる。