テンセント・クラウド、大規模言語モデル向け「モデル・アズ・ア・サービス」(MaaS)を開始。このサービスにはNvidiaの新しいGPUが搭載されている。

Tencent Cloud MaaSは、金融、メディア、観光、製造業などさまざまな業界をカバーする複数の組み込み言語モデルを提供し、企業が目的に応じてさらに特化させることができる。また、カスタマイズしたモデルをクラウドサービスを通じて学習させることもできる。

同社は、データのラベリング、トレーニング、評価、テスト、モデル展開ツールなど、さまざまなツールを提供している。

Tencentは中国で初めてNvidiaの新しいGPUを利用した。

テンセントのシニア・エグゼクティブ・バイス・プレジデントでクラウド&スマート・インダストリーズ・グループの責任者であるTang Daosheng氏によると、同社は多くのパートナーと協力して中国語の言語モデリング・エコシステムを構築しており、すでに10以上の業界で50以上の言語モデルベースのソリューションを展開しているという。

中国ではバイドゥが同様のサービスを提供している。しかし、テンセントは4月にNvidia H800 GPUを搭載したハイパフォーマンス・コンピューティング・クラスターを開設した最初の中国企業である。NvidiaのGPUに加え、テンセントはデータセンターに自社のStarLakeサーバーを利用している。

輸出規制が中国のAI産業に影響

中国では、NvidiaのH800が現在入手可能な最速のAIアクセラレータである。しかし、H800はNvidiaのハイエンドH100の縮小版であり、CHIPS法によって課された米国の輸出規制により、中国では販売できない。この規制は、世界のほとんどのデータセンターでAIトレーニングに使用されているNvidiaのA100とH100 GPUに影響を及ぼす。

同社はA100のチップ間データ転送速度を600GBpsから400GBpsに引き下げ、A800として販売している。中国の専門家によると、H800ではH100の転送速度が600GBpsから300GBpsに半減している。AIのトレーニングでは、これは大きな違いとなるため、H100カードを利用できる企業は中国企業より有利となるかもしれない。

中国では、アリババ・グループ、バイドゥ、テンセントがすべてNvidiaのH800カードを選択している。